ここではフリーランスとして起業し成功するまでに必要な知識や具体的な方法をまとめています。
説明していることを実践・理解することで、フリーランスとしてみるみる成長していくことができるでしょう。
また長年フリーランスとして活動している方も、今までやっていなかったこと・できていなかったことに気づくことができ、フリーランスとしてさらに成長できるかと思います。
気になった時にいつでも見返せるようにしておくことをおすすめします。
1 フリーランスとして独立するために必要な開業準備の全て
1.1 「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する
1.2 事業用に銀行口座を開設する
1.2.1 「屋号+個人名」の名義で口座を開設するのがおすすめです
1.2.2 目的に応じて口座を開設する銀行を選びましょう
1.3 青色申告のために帳簿をつけておく
1.4 フリーランスとしての屋号を決める
1.4.1 屋号をつけると「何をしているか」を理解してもらいやすくなる
1.4.2 屋号を決める際に抑えておきたいポイント
2 市場価値の高いフリーランスになるための2つのポイント
point1 効率的に仕事を探す
(1) エージェントに依頼
(2) クラウドソーシングサービスの活用
(3) 知人からの紹介
point2 クライアントからの信頼を獲得する
(1) 期待値を超える仕事を行う
(2) 積極的にコミュニケーションの場へ行く
3 フリーランスの実態を知るためのおすすめブログ
4 煩わしい契約書類を完全攻略
4.1 フリーランスが理解しておくべき契約の流れ
4.2 見積書の書き方をマスターする
4.2.1 見積書とは契約内容を事前に確認するための書類
4.2.2 見積書を送付する目的
4.2.3 見積書に記載しておくべき項目
4.2.4 見積書を作成し送付する
4.3 発注書(注文書)をマスターする
4.3.1 発注書(注文書)とは契約においての証拠となる書類
4.3.2 クライアントの発注書(注文書)で注意するポイント
4.3.3 注文請書(受注書)を作成し送付する
4.4 請求書の書き方をマスターする
4.4.1 請求書を送付する目的は「入金してもらうため」
4.4.2 請求書に記載しておくべき項目
4.4.3 請求書を送付する際に確認しておくこと
4.5 業務委託契約をマスターする
4.5.1 業務委託契約は実際の「契約内容」が重要
4.5.2 業務委託契約チェックリスト
4.5.3 「請負契約」と「委任契約」の違い
4.6 機密保持契約書をマスターする
4.6.1 機密保持契約書とは?
4.6.2 機密保持契約書を結ぶ上で注意しなければならないポイント
5 損をしないために必要な保険知識の全て
5.1 正社員からフリーランスになった際に切り替えなければならない保険
6 暮らしや家庭も大切にするために理解しておきたいことの全て
6.1 クレジットカードの審査
6.1.1 クレジットカードを作るには審査基準をクリアする必要がある
6.1.2 短期間の間で何社にも申し込むことはやめましょう
6.2 賃貸物件を借りる際の審査
6.3 住宅ローンの審査
6.4 健康診断の受診
7 節税のための手法完全版
7.1 フリーランスが支払わなければならない税金
7.2 フリーランスが知っておくべき節税の方法
フリーランスとして開業する際には事業の開始等の事実があった日から1月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出しましょう。
その他にも、国民保健や国民年金に加入する必要もありますので、詳細は『個人事業主(フリーランス)必読!開業時に必要な届出はこれだ!』を参考にしてください。
また、青色申告については『フリーランスが65万円控除を受けるための青色申告徹底攻略』で詳しく説明していますのでご覧ください。
フリーランスとして独立する際には、仕事で使用したお金とプライベートで使用したお金を明確に区別できるよう、事業用の銀行口座を開設しておきましょう。
事業用の銀行口座を持っておくことで、経費を計上する際も圧倒的に楽になります。
最近では屋号のみの「屋号口座」を開設するには、法人化しなければならない等、審査が厳しくなってきたため「屋号+個人名」での開設をおすすめします。口座開設までには屋号を決めておきましょう。
口座を開設する際はどこの銀行でも良いわけではなく、今後の予定に応じて選択していきましょう。
(1) 事業拡大を予定しているなら地方銀行や信用金庫・信用組合で口座開設
もし今後、事業拡大していく予定であれば、融資の相談にものってくれる地方銀行や信用金庫・信用組合といった中小銀行で口座を開設しましょう。
(2) 融資してもらう予定がないのであればネットバンクで口座開設
今後銀行からの融資を想定しておらず、口座利用の目的が支払いや入金メインであるならば、ネットバンクで口座を開設すると良いでしょう。
帳簿は確定申告の際に提出するものではなく、決算書や申告書を作成するための材料のようなものです。
65万円の控除を受けることができる青色申告で確定申告を行う場合は、複式簿記という方法で記帳します。
フリーランスの場合、作成する主な帳簿は、現金の出入りを記録する現金出納帳や口座のお金の出入りを記録する預金出納帳、必要経費を記録する経費帳などです。
事業に関係のない取引に関する帳簿は作成する必要はありません。
帳簿の作成は会計ソフトを使用すると全自動で作成できるので便利です。
会計ソフトを利用すれば取引を入力するだけで、簿記に触れたことがない方でも簡単にかつ自動で帳簿を作成できるので、とても便利です。
このように、会計ソフトを利用すれば初めて帳簿を作成する方でも簡単に作成できます。
point1 領収書を必ずとっておき、日々記帳しましょう
レシートや領収書を必ず保管し、日々の取引をこまめに帳簿付けしておくことがポイントです。
慣れてくると、たまったレシートを年度末に仕訳して帳簿に記帳し、すぐに確定申告を終わらせてしまう方もいますが、最初のうちは混乱やミスが発生しないよう日々こまめに帳簿付けするようにしましょう。
point2 帳簿は7年間保存しましょう
青色申告の場合、帳簿は7年間の保存が法律で定められています。
もし、税務調査が入った際に、帳簿がないと青色申告を取り消され、追徴課税などが課されることがあるので、必ず保存しておきましょう。
帳簿はデータで保存することもできますが、税務署に届け出をする必要いがあります。
参考 記帳や帳簿等保存・青色申告|税について調べる|国税庁
フリーランスとして必ず屋号が必要、というわけではありませんが決めておくことで得られるメリットがあります。
そこで屋号つけることでのメリットと、屋号を決める際に抑えておきたいポイントをご紹介させて頂きます。
屋号をつける一番のメリットは取引先や銀行の担当者に「何をしている」フリーランスかを理解してもらいやすくなることです。
極端な例ですが、「○○デザイン」や「○○システム」と、デザインをやっているんだ、システム開発をしているんだ、ということを伝えることができます。
屋号をどのような名前にすべきか、という決まったルールはありませんが、決める際には下記のポイントをおさえておきましょう。
効率的に仕事を探す方法としては、エージェント企業に登録し、案件を紹介してもらうという方法が良いでしょう。
基本的に登録は無料で、案件を探すところから、参画後のサポートまで行ってくれます。無料で登録が可能なので、何社か登録を行い、実際に担当と会ってみるのが良いでしょう。
おすすめのエージェントをご紹介
■首都圏コンピュータ技術者
フリーエンジニアとの長年の取引実績があり、サポートが充実しています。
福利厚生から確定申告サポート、スキルアップのための教育サポートまで揃っています。
■レバテックフリーランス
幅広い案件を保有しており、その中でも特にWeb系の案件に強みを持っています。
開発案件だけでなく、正社員求人もご紹介してもらえるので、エンジニアとしてキャリアアップしていく上での選択肢を広げることができます。
■GEEK JOB フリーランス
ご紹介できる案件は幅広く、中でもWeb系の案件に強みを持っています。一番の特徴としては、開発現場の情報を詳しく掲載している点です。コンサルタントが足を運んでヒアリングした生の情報を掲載しています。
エージェントに案件を紹介してもらう上で注意しなければならない点としては、基本的にはクライアント先に出向き開発を行う常駐案件のみであるという点です。
もし在宅勤務を望んでいるのであれば、後程お話する「クラウドソーシングサービス」を利用するとよいでしょう。
採用担当に刺さるスキルシートの書き方を身に付ける
エージェントに案件紹介を依頼する際には、スキルシートが必要になります。
採用担当が求めている、「スキル・経験がプロジェクトに合っているか」「人柄がチームに合っているか」をおさえたスキルシートを作成しましょう。
詳しくは『参画決定率を上げる!採用担当に刺さるスキルシートの書き方』で説明していますので、参考にしてみてください。
大手だと、ランサーズとクラウドワークスがあり、無料で登録できるのでどちらも登録しておくと良いでしょう。プロジェクトの切れ目ができてしまった時などに、スポットの案件で収入を得ることができます。
■ランサーズ
■クラウドワークス
注意しなければならない点としては、
という点です。主にシステム開発を経験してきた方にとっては、自分に合った案件を見つけることが難しいかもしれませんが、開発案件がないわけではないので、登録しておくのは良いかもしれません。
この方法に関しては、エージェントやクラウドソーシングでの仕事探しに比べ、すぐに仕事を見つけられる可能性が低いので、紹介があれば対応していく、という流れで進めていきましょう。
そこで、信頼関係を築くための方法をご紹介します。
依頼された仕事の期待値を超えるためには、「何を期待されているのか」を把握しておき、ズレが生じないよう都度、軌道修正のための報告を行っておきましょう。
コミュニケーションを通しての接触回数を増やすことで相手に対して良い印象を与えるようになる、と心理学的にいわれています(単純接触効果)。
仕事の話だけではなく、世間話もできる場、例えば食事の席、喫煙者であれば喫煙所など積極的に足を運んでみましょう。
原則として作業を開始する前に全てを完了させておく必要がありますが、場合によっては作業開始と同時並行で進むこともありますので、事前にクライアントに確認しておきましょう。
・契約における認識の違いをなくす
見積書に「金額」「納品物」「支払条件」を記載しておくことで、受注前に契約内容のすり合わせができます。
・クライアントに対して発注の意思決定を促す
「金額」「納品物」「支払条件」を記載した見積書を送付することで、クライアントが発注の意思決定をしやすくなり、結果として発注を促すことができます。
上記の目的を意識し、見積書を作成しましょう。
郵送でも問題ありませんが、メールにてお送りするほうが早くクライアントに送付できるので、早いタイミングで発注を頂ける可能性が高くなります。
PDFを送付した後は、電話でも確認の連絡をしておきましょう。
特に「業務委託契約」においては、直接規定する条文がなく、事前に発注書にて詳細に取り決めをしておかなければなりませんので、しっかりと確認しておきましょう。
下記項目を確認しておきましょう。
■業務委託契約の場合
クライアントから注文請書を頂いている場合は、条件等の確認・あれば修正を行ってもらい、収入印紙を貼り付け返送します。
※PDFにてやりとりを行う際は収入印紙は不要です。
もし注文請書を頂いていない場合は、テンプレート等をダウンロードし作成後、送付します。
ただ、請求書の書き方については法律で定められた決まりはなく、大切なのは「クライアントが希望する書き方・フォーマット」を守ることとなります。
※参照 No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた|消費税|国税庁
※請求金額については、下記の計算方法で算出します。
請求金額=報酬金額(税込み)-源泉徴収額
詳しくは『もう請求書で迷わない!フリーランスが理解すべき消費税の計算方法』にて説明しておりますので参考にしてみてください。
以上で請求書の作成から送付まで完了です。
ただ、業務委託契約は法律で規定されているものではなく、「請負契約」や「委任契約」の要素を混ぜ込んだ契約となっているため、業務委託契約の内容を確認しておくことが重要です。
業務委託契約書が送付されてきた場合、下記を確認し問題がなければ4,000円の収入印紙を貼り付け、返送します。
■請負契約は「仕事の完成」に対して報酬が支払われる契約
請負は民法第632条において下記のように定められています。
つまりは、受注者の「仕事の完成」に対してクライアントは報酬を支払う契約となっています。
webデザイナーであればwebサイトのソースコードや素材、カメラマンであれば写真素材などが「納品物」にあたります。
■委任契約は「行った業務」に対して報酬が支払われる契約
委任契約は民法第643条において下記のように定められています。
加えて民法第644条に
とあり、委任契約においては「善良な管理者の注意をもって」業務に取り組む(善管注意義務)が定められています。
つまり、受注者が「善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって」行った「業務」に対してクライアントが報酬を支払う契約となっております。
また、民法第656条において
との規定もあり、委任契約は「法律行為」でなくとも適用されるもの(準委任契約)となっています。
クライアントが一般には公開していない機密情報を入手した場合、第三者に渡したり、一般公開しない、ということを求める契約です。
クライアント社内の情報は本来社内に限って保有しているものですが、顧客やパートナー企業と取引する際は、社内の情報も可能な範囲で開示する必要が出てきます。
その際に、取引先が第三者に社内情報を公開しないようにしておくのが機密保持契約書です。
フリーランスとしてクライアントと機密保持契約を結ぶ際は、下記の点に注意してチェックを行いましょう。
check1 機密情報の範囲がどこまでか
クライアントの情報に関して、どこまでが機密情報なのかを明確に確認し、記載してもらいましょう。
明確に記載がなくとも「○○は機密情報です」と後から言われてしまい、結果として機密情報を漏洩してしまう、といったトラブルも起きてしまいます。
check2 損害賠償は限度額が示されているか
機密情報を漏洩してしまった際の損害賠償額の上限は明確にし、記載してもらいましょう。契約金額を上限としてもらうとよいでしょう。
もし損害賠償額を明確にしておかないと、莫大な金額を請求されることもありますので注意が必要です。
check3 所有権・著作権・特許の取得権利はどちらが保有するか
クライアントに対して制作物を納品する場合、その納品物の所有権や著作権・特許の取得権利がどこに保有されるかを確認しておきましょう。
基本的にはクライアントが権利を保有することになりますが、著作権が他社に譲渡されても「著作者人格権」は残ります。
詳しくは『これだけで安心!フリーランスが入っておくべき保険まとめ』にてご説明していますので、参考にしてみてください。
基準1 申込者の属性の審査基準(年齢・居住年数・職業・勤続年数・年収等)
申込者の属性の審査基準を満たせていない場合「安定していない」「支払い能力が低い」とみなされてしまうことがあります。
クレジットカードの審査に通らなかった方は、特に重要とされている居住年数・勤続年数・年収を可能な限り高めておきましょう。
基準2 信用情報機関に登録されている項目にネガティブな情報(事故情報)がない
個人信用情報機関にネガティブな情報(支払い遅延・延滞等)が登録されてしまっている場合、クレジットカードを審査に通りにくくなります。
基準3 過去にカードやローンの利用したことがない
ケースとしては稀ですが、今までカードやローンを利用したことがない人は支払い能力に関して「未知数」と判断され、審査に通らないことがあります。
詳細は『賃貸物件を借るために!フリーランスがおさえるべきポイント』にて具体的にご紹介しているので、参考にしてみてください。
フリーランスが支払う税金の種類は最大で下記の6種類ありますが、状況によって支払うべきものが変わっていきます。
詳しくは『支払うべき税金がわかる!フリーランスのための税金知識まとめ』にてご説明していますので、ご参考にしてください。
節税を行うことで、本来は税金として支払う必要があった所得を手元に残すことができるようになります。
主な節税方法は5つありますので、仕事に余裕があれば是非実践してみましょう。
詳しくは『手元に多くのお金を残そう!フリーランスがやるべき節税5選』にて説明していますので、参考にしてみてください。
ということです。
本ページを参考にしながら、フリーランスとして3か月で成功する道を歩んでいきましょう。
説明していることを実践・理解することで、フリーランスとしてみるみる成長していくことができるでしょう。
また長年フリーランスとして活動している方も、今までやっていなかったこと・できていなかったことに気づくことができ、フリーランスとしてさらに成長できるかと思います。
気になった時にいつでも見返せるようにしておくことをおすすめします。
1 フリーランスとして独立するために必要な開業準備の全て
1.1 「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する
1.2 事業用に銀行口座を開設する
1.2.1 「屋号+個人名」の名義で口座を開設するのがおすすめです
1.2.2 目的に応じて口座を開設する銀行を選びましょう
1.3 青色申告のために帳簿をつけておく
1.4 フリーランスとしての屋号を決める
1.4.1 屋号をつけると「何をしているか」を理解してもらいやすくなる
1.4.2 屋号を決める際に抑えておきたいポイント
2 市場価値の高いフリーランスになるための2つのポイント
point1 効率的に仕事を探す
(1) エージェントに依頼
(2) クラウドソーシングサービスの活用
(3) 知人からの紹介
point2 クライアントからの信頼を獲得する
(1) 期待値を超える仕事を行う
(2) 積極的にコミュニケーションの場へ行く
3 フリーランスの実態を知るためのおすすめブログ
4 煩わしい契約書類を完全攻略
4.1 フリーランスが理解しておくべき契約の流れ
4.2 見積書の書き方をマスターする
4.2.1 見積書とは契約内容を事前に確認するための書類
4.2.2 見積書を送付する目的
4.2.3 見積書に記載しておくべき項目
4.2.4 見積書を作成し送付する
4.3 発注書(注文書)をマスターする
4.3.1 発注書(注文書)とは契約においての証拠となる書類
4.3.2 クライアントの発注書(注文書)で注意するポイント
4.3.3 注文請書(受注書)を作成し送付する
4.4 請求書の書き方をマスターする
4.4.1 請求書を送付する目的は「入金してもらうため」
4.4.2 請求書に記載しておくべき項目
4.4.3 請求書を送付する際に確認しておくこと
4.5 業務委託契約をマスターする
4.5.1 業務委託契約は実際の「契約内容」が重要
4.5.2 業務委託契約チェックリスト
4.5.3 「請負契約」と「委任契約」の違い
4.6 機密保持契約書をマスターする
4.6.1 機密保持契約書とは?
4.6.2 機密保持契約書を結ぶ上で注意しなければならないポイント
5 損をしないために必要な保険知識の全て
5.1 正社員からフリーランスになった際に切り替えなければならない保険
6 暮らしや家庭も大切にするために理解しておきたいことの全て
6.1 クレジットカードの審査
6.1.1 クレジットカードを作るには審査基準をクリアする必要がある
6.1.2 短期間の間で何社にも申し込むことはやめましょう
6.2 賃貸物件を借りる際の審査
6.3 住宅ローンの審査
6.4 健康診断の受診
7 節税のための手法完全版
7.1 フリーランスが支払わなければならない税金
7.2 フリーランスが知っておくべき節税の方法
1 フリーランスとして独立するために必要な開業準備の全て
1.1 「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出する
フリーランスとして開業する際には事業の開始等の事実があった日から1月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を税務署に提出しましょう。
その他にも、国民保健や国民年金に加入する必要もありますので、詳細は『個人事業主(フリーランス)必読!開業時に必要な届出はこれだ!』を参考にしてください。
また、青色申告については『フリーランスが65万円控除を受けるための青色申告徹底攻略』で詳しく説明していますのでご覧ください。
1.2 事業用に銀行口座を開設する
フリーランスとして独立する際には、仕事で使用したお金とプライベートで使用したお金を明確に区別できるよう、事業用の銀行口座を開設しておきましょう。
事業用の銀行口座を持っておくことで、経費を計上する際も圧倒的に楽になります。
1.2.1 「屋号+個人名」の名義で口座を開設するのがおすすめです
最近では屋号のみの「屋号口座」を開設するには、法人化しなければならない等、審査が厳しくなってきたため「屋号+個人名」での開設をおすすめします。口座開設までには屋号を決めておきましょう。
1.2.2 目的に応じて口座を開設する銀行を選びましょう
口座を開設する際はどこの銀行でも良いわけではなく、今後の予定に応じて選択していきましょう。
(1) 事業拡大を予定しているなら地方銀行や信用金庫・信用組合で口座開設
もし今後、事業拡大していく予定であれば、融資の相談にものってくれる地方銀行や信用金庫・信用組合といった中小銀行で口座を開設しましょう。
(2) 融資してもらう予定がないのであればネットバンクで口座開設
今後銀行からの融資を想定しておらず、口座利用の目的が支払いや入金メインであるならば、ネットバンクで口座を開設すると良いでしょう。
1.3 青色申告のために帳簿をつけておく
帳簿とは、日々の取引を記録するためのノートです。そして、取引を記録することを記帳といいます。帳簿は確定申告の際に提出するものではなく、決算書や申告書を作成するための材料のようなものです。
65万円の控除を受けることができる青色申告で確定申告を行う場合は、複式簿記という方法で記帳します。
青色申告の場合、作成する帳簿は補助簿と主要簿の2つ
複式簿記では補助簿と主要簿の2つの帳簿を作成します。- 補助簿 ・・・日々の取引を記録する帳簿。補助簿には6つの帳簿があります。
- 現金出納帳 ・・・現金の出入りを記録する
- 預金出納帳 ・・・口座のお金の出入りを記録する
- 売掛帳 ・・・後払いで支払われる売上げを記録する
- 買掛帳 ・・・後払いで支払う仕入れを記録する
- 経費帳 ・・・必要経費を記録する
- 固定資産台帳・・・減価償却する固定資産を記録する
フリーランスの場合、作成する主な帳簿は、現金の出入りを記録する現金出納帳や口座のお金の出入りを記録する預金出納帳、必要経費を記録する経費帳などです。
事業に関係のない取引に関する帳簿は作成する必要はありません。
- 主要簿・・・補助簿に記帳したことをまとめる帳簿。主要簿には2つの帳簿があります。
- 仕訳帳 ・・・全ての取引を仕分けして日付順に並べるもの
- 総勘定元帳・・・仕訳帳の取引を種類ごとにまとめるもの
帳簿の作成は会計ソフトを使用すると全自動で作成できるので便利です。
会計ソフトを利用すれば取引を入力するだけで、簿記に触れたことがない方でも簡単にかつ自動で帳簿を作成できるので、とても便利です。
おすすめの会計ソフト
■全自動のクラウド会計ソフトfreee(フリー)- 運営会社:freee 株式会社
「クラウド会計ソフト freee」と「クラウド給与計算ソフト freee」を提供している。クラウド会計ソフトシェアNO.1。 - スマホアプリでも利用できる。無料のプランあり。
- 全自動なので、簿記のわからない経理初心者でも利用しやすい画面設計。
- 自動で帳簿作成をしてくれる。
- 補助簿を作成すれば、自動で主要簿を作成してくれる。
- 主要簿が完成していたら、ワンクリックで青色申告決算書や申告書Bを作成してくれる。
- 銀行口座やクレジットカードの情報をソフトに登録しておくと、明細から自動で帳簿を作成してくれる。
このように、会計ソフトを利用すれば初めて帳簿を作成する方でも簡単に作成できます。
帳簿管理を徹底するための2つのポイント
確定申告をミスなく完了させるには、帳簿の管理を徹底する必要があります。point1 領収書を必ずとっておき、日々記帳しましょう
レシートや領収書を必ず保管し、日々の取引をこまめに帳簿付けしておくことがポイントです。
慣れてくると、たまったレシートを年度末に仕訳して帳簿に記帳し、すぐに確定申告を終わらせてしまう方もいますが、最初のうちは混乱やミスが発生しないよう日々こまめに帳簿付けするようにしましょう。
point2 帳簿は7年間保存しましょう
青色申告の場合、帳簿は7年間の保存が法律で定められています。
もし、税務調査が入った際に、帳簿がないと青色申告を取り消され、追徴課税などが課されることがあるので、必ず保存しておきましょう。
帳簿はデータで保存することもできますが、税務署に届け出をする必要いがあります。
参考 記帳や帳簿等保存・青色申告|税について調べる|国税庁
1.4 フリーランスとしての屋号を決める
フリーランスとして必ず屋号が必要、というわけではありませんが決めておくことで得られるメリットがあります。
そこで屋号つけることでのメリットと、屋号を決める際に抑えておきたいポイントをご紹介させて頂きます。
1.4.1 屋号をつけると「何をしているか」を理解してもらいやすくなる
屋号をつける一番のメリットは取引先や銀行の担当者に「何をしている」フリーランスかを理解してもらいやすくなることです。
極端な例ですが、「○○デザイン」や「○○システム」と、デザインをやっているんだ、システム開発をしているんだ、ということを伝えることができます。
1.4.2 屋号を決める際に抑えておきたいポイント
屋号をどのような名前にすべきか、という決まったルールはありませんが、決める際には下記のポイントをおさえておきましょう。
- 開業届を提出する前に決めてしまう
- 法人化を見越した名前にする
- 同市町村内で登記されている屋号はつけない
- 事業を行う地名が入っている
2 市場価値の高いフリーランスになるための2つのポイント
point1 効率的に仕事を探す
(1) エージェントに依頼
効率的に仕事を探す方法としては、エージェント企業に登録し、案件を紹介してもらうという方法が良いでしょう。
基本的に登録は無料で、案件を探すところから、参画後のサポートまで行ってくれます。無料で登録が可能なので、何社か登録を行い、実際に担当と会ってみるのが良いでしょう。
おすすめのエージェントをご紹介
■首都圏コンピュータ技術者
フリーエンジニアとの長年の取引実績があり、サポートが充実しています。
福利厚生から確定申告サポート、スキルアップのための教育サポートまで揃っています。
■レバテックフリーランス
幅広い案件を保有しており、その中でも特にWeb系の案件に強みを持っています。
開発案件だけでなく、正社員求人もご紹介してもらえるので、エンジニアとしてキャリアアップしていく上での選択肢を広げることができます。
■GEEK JOB フリーランス
ご紹介できる案件は幅広く、中でもWeb系の案件に強みを持っています。一番の特徴としては、開発現場の情報を詳しく掲載している点です。コンサルタントが足を運んでヒアリングした生の情報を掲載しています。
エージェントに案件を紹介してもらう上で注意しなければならない点としては、基本的にはクライアント先に出向き開発を行う常駐案件のみであるという点です。
もし在宅勤務を望んでいるのであれば、後程お話する「クラウドソーシングサービス」を利用するとよいでしょう。
採用担当に刺さるスキルシートの書き方を身に付ける
エージェントに案件紹介を依頼する際には、スキルシートが必要になります。
採用担当が求めている、「スキル・経験がプロジェクトに合っているか」「人柄がチームに合っているか」をおさえたスキルシートを作成しましょう。
詳しくは『参画決定率を上げる!採用担当に刺さるスキルシートの書き方』で説明していますので、参考にしてみてください。
(2) クラウドソーシングサービスの活用
「クラウドソーシングサービス」と呼ばれる、Web上で在宅案件を探すことができるサイトに登録し、案件を探す方法もあります。大手だと、ランサーズとクラウドワークスがあり、無料で登録できるのでどちらも登録しておくと良いでしょう。プロジェクトの切れ目ができてしまった時などに、スポットの案件で収入を得ることができます。
■ランサーズ
■クラウドワークス
注意しなければならない点としては、
- 比較的デザインやサイト制作の案件が多い
- 短期の案件が多い
- コンペ形式の案件もある
という点です。主にシステム開発を経験してきた方にとっては、自分に合った案件を見つけることが難しいかもしれませんが、開発案件がないわけではないので、登録しておくのは良いかもしれません。
(3) 知人からの紹介
最後に知人から仕事を紹介してもらうという方法があります。この方法に関しては、エージェントやクラウドソーシングでの仕事探しに比べ、すぐに仕事を見つけられる可能性が低いので、紹介があれば対応していく、という流れで進めていきましょう。
point2 クライアントからの信頼を獲得する
仕事が舞い込む好循環を生み出すためには、やりとりしているクライアントの信頼を獲得し、再度仕事を依頼されるような関係性を築くことも重要です。そこで、信頼関係を築くための方法をご紹介します。
(1) 期待値を超える仕事を行う
依頼された仕事、言われたことをただただこなすだけでなく、依頼者が期待していることを超える仕事を行うことが、信頼関係を築く上で重要です。依頼された仕事の期待値を超えるためには、「何を期待されているのか」を把握しておき、ズレが生じないよう都度、軌道修正のための報告を行っておきましょう。
(2) 積極的にコミュニケーションの場へ行く
信頼関係を築くには仕事の質だけではなく、コミュニケーションの大切です。コミュニケーションを通しての接触回数を増やすことで相手に対して良い印象を与えるようになる、と心理学的にいわれています(単純接触効果)。
仕事の話だけではなく、世間話もできる場、例えば食事の席、喫煙者であれば喫煙所など積極的に足を運んでみましょう。
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4 煩わしい契約書類を完全攻略
4.1 フリーランスが理解しておくべき契約の流れ
フリーランスがクライアントやエージェントと契約を結ぶ場合、基本的には下記の手順にて契約を交わすことになります。- クライアントへ見積書の送付
- 発注書(注文書)と注文請書がクライアントから送られてくる
- クライアントへ注文請書を送付
- 基本契約書・機密保持契約書の締結
- 検収が完了したらクライアントへ請求書を送付
原則として作業を開始する前に全てを完了させておく必要がありますが、場合によっては作業開始と同時並行で進むこともありますので、事前にクライアントに確認しておきましょう。
4.2 見積書の書き方をマスターする
4.2.1 見積書とは契約内容を事前に確認するための書類
見積書とは、契約時の金額・量・契約期間・作業内容を事前に計算しておき、クライアントに提示しておきます4.2.2 見積書を送付する目的
見積書をクライアントへ送付する目的は2点あります。・契約における認識の違いをなくす
見積書に「金額」「納品物」「支払条件」を記載しておくことで、受注前に契約内容のすり合わせができます。
・クライアントに対して発注の意思決定を促す
「金額」「納品物」「支払条件」を記載した見積書を送付することで、クライアントが発注の意思決定をしやすくなり、結果として発注を促すことができます。
上記の目的を意識し、見積書を作成しましょう。
4.2.3 見積書に記載しておくべき項目
見積書を作成する際には、下記項目を記載しておきましょう。ただ、クライアントによって記載項目が異なる場合もあるので、見積書を作成する前に確認しておきましょう。- 書類作成者の氏名又は名称
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額(税込み)
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
4.2.4 見積書を作成し送付する
見積書を送付する際はPDFで構いませんのでメールにてお送りすることをおすすめします。郵送でも問題ありませんが、メールにてお送りするほうが早くクライアントに送付できるので、早いタイミングで発注を頂ける可能性が高くなります。
PDFを送付した後は、電話でも確認の連絡をしておきましょう。
4.3 発注書(注文書)をマスターする
4.3.1 発注書(注文書)とは契約においての証拠となる書類
発注書(注文書)とは発注側が発行する書類で、注文を申し込む際の条件を記載した、契約においての証拠となるものです。一般的に発注書に記載する項目としては、納品物の数量・納期・支払期日といった最低限の条件が記載されているものです。特に「業務委託契約」においては、直接規定する条文がなく、事前に発注書にて詳細に取り決めをしておかなければなりませんので、しっかりと確認しておきましょう。
4.3.2 クライアントの発注書(注文書)で注意するポイント
クライアントから発注書が送付されてきた際に、確認しておくべきポイントとしては「前提条件」の記載です。下記項目を確認しておきましょう。
- 業務で発生する交通費はだれが支払うのか?
- 残業代が発生した際の支払額、上限は?
- 銀行振込時の手数料はどちらが負担するのか?
- 減額の条件の記載はあるか?その条件は妥当か?
- 損害賠償の責任範囲と支払額の上限は妥当か?
- 成果物および納入物件の納品方法は?
■業務委託契約の場合
- 作業時間を証明する方法は?
- 月の途中からの契約になった場合の日割り計算の方法は?
- 契約解除の条件は妥当か?
- 契約期間を変更する際の手続き方法は?
4.3.3 注文請書(受注書)を作成し送付する
多くの場合、クライアントから発注書と注文請書(受注書)を同時に送付されてくるかと思います。クライアントから注文請書を頂いている場合は、条件等の確認・あれば修正を行ってもらい、収入印紙を貼り付け返送します。
※PDFにてやりとりを行う際は収入印紙は不要です。
もし注文請書を頂いていない場合は、テンプレート等をダウンロードし作成後、送付します。
4.4 請求書の書き方をマスターする
4.4.1 請求書を送付する目的は「入金してもらうため」
請求書はクライアントに入金をしてもらうことを目的として送付します。入金をしてもらうためには、必要事項を満たした項目を記載しておく必要があるので、作成時や送付時にはしっかりと確認をしておきましょう。ただ、請求書の書き方については法律で定められた決まりはなく、大切なのは「クライアントが希望する書き方・フォーマット」を守ることとなります。
4.4.2 請求書に記載しておくべき項目
請求書を作成する際は、基本的な下記項目を記載しておきましょう。また、クライアントによって記載項目が異なる場合もあるので、請求書を作成する前に確認しておきましょう。- 書類作成者の氏名又は名称
- 取引年月日
- 取引内容
- 取引金額(税込み)
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
※参照 No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた|消費税|国税庁
※請求金額については、下記の計算方法で算出します。
請求金額=報酬金額(税込み)-源泉徴収額
詳しくは『もう請求書で迷わない!フリーランスが理解すべき消費税の計算方法』にて説明しておりますので参考にしてみてください。
4.4.3 請求書を送付する際に確認しておくこと
請求書を送付する際は下記手順でお送りすることをおすすめします。- PDFにした請求書をメールにて、クライアントに送付し確認してもらう
- クライアントの確認がとれたら、請求書に収入印紙を貼る
- 書類送付状を作成し、請求書とともに封筒へ入れ送付する
以上で請求書の作成から送付まで完了です。
4.5 業務委託契約をマスターする
4.5.1 業務委託契約は実際の「契約内容」が重要
フリーランスとして活動していると、よく耳にする契約が「業務委託契約」です。ただ、業務委託契約は法律で規定されているものではなく、「請負契約」や「委任契約」の要素を混ぜ込んだ契約となっているため、業務委託契約の内容を確認しておくことが重要です。
4.5.2 業務委託契約チェックリスト
業務委託契約書を交わす場合は、事前にwordやExcelファイル等で業務委託契約書を確認させてもらい、問題がなければ原本を送付してもらうようにしましょう。業務委託契約書が送付されてきた場合、下記を確認し問題がなければ4,000円の収入印紙を貼り付け、返送します。
- 契約の内容が明記してあるか
- 当方、相手方ともに契約当事者の名称(社名)、住所は正しく表記されているか(前株、後株にも注意)
- 書類内で甲と乙の定義はなされているか
- 本文中の甲と乙の役割・立場(受注者・発注者等)が定義と合致しているか
- 納品物は具体的に定めてあるか
- 損害賠償額の上限は定められているか
- 「ですます」調、「である」調など、文体は統一されているか
- 契約書で「貴社」、「弊社」という表現を使っていないか(見積書や注文請書ではOK)
- 捨印の依頼を受けているかどうか
※捨印は契約書の内容をある程度まで訂正して構わない、という権限を相手方に与える目的で捺印するものなので、基本的には捺印しないほうが良いです - 4,000円の収入印紙は貼られているか
※基本契約書の場合は4,000円分の収入印紙を貼ります
4.5.3 「請負契約」と「委任契約」の違い
業務委託契約を結ぶ際には「請負契約」と「委任契約」の違いを理解しておき、自身のビジネスモデルに合った契約を結ぶのがベストです。■請負契約は「仕事の完成」に対して報酬が支払われる契約
請負は民法第632条において下記のように定められています。
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
つまりは、受注者の「仕事の完成」に対してクライアントは報酬を支払う契約となっています。
webデザイナーであればwebサイトのソースコードや素材、カメラマンであれば写真素材などが「納品物」にあたります。
■委任契約は「行った業務」に対して報酬が支払われる契約
委任契約は民法第643条において下記のように定められています。
当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
加えて民法第644条に
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
とあり、委任契約においては「善良な管理者の注意をもって」業務に取り組む(善管注意義務)が定められています。
つまり、受注者が「善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって」行った「業務」に対してクライアントが報酬を支払う契約となっております。
また、民法第656条において
法律行為でない事務の委託について準用する
との規定もあり、委任契約は「法律行為」でなくとも適用されるもの(準委任契約)となっています。
4.6 機密保持契約書をマスターする
4.6.1 機密保持契約書とは?
クライアントやエージェントと取引する際に必ずといっていいほど結ぶ契約のひとつに「機密保持契約」があります。クライアントが一般には公開していない機密情報を入手した場合、第三者に渡したり、一般公開しない、ということを求める契約です。
クライアント社内の情報は本来社内に限って保有しているものですが、顧客やパートナー企業と取引する際は、社内の情報も可能な範囲で開示する必要が出てきます。
その際に、取引先が第三者に社内情報を公開しないようにしておくのが機密保持契約書です。
4.6.2 機密保持契約書を結ぶ上で注意しなければならないポイント
クライアントと取引が始まる際には、先方から機密保持契約書が送られてきます。フリーランスとしてクライアントと機密保持契約を結ぶ際は、下記の点に注意してチェックを行いましょう。
check1 機密情報の範囲がどこまでか
クライアントの情報に関して、どこまでが機密情報なのかを明確に確認し、記載してもらいましょう。
明確に記載がなくとも「○○は機密情報です」と後から言われてしまい、結果として機密情報を漏洩してしまう、といったトラブルも起きてしまいます。
check2 損害賠償は限度額が示されているか
機密情報を漏洩してしまった際の損害賠償額の上限は明確にし、記載してもらいましょう。契約金額を上限としてもらうとよいでしょう。
もし損害賠償額を明確にしておかないと、莫大な金額を請求されることもありますので注意が必要です。
check3 所有権・著作権・特許の取得権利はどちらが保有するか
クライアントに対して制作物を納品する場合、その納品物の所有権や著作権・特許の取得権利がどこに保有されるかを確認しておきましょう。
基本的にはクライアントが権利を保有することになりますが、著作権が他社に譲渡されても「著作者人格権」は残ります。
著作者人格権とは
“そもそも著作物とは、それを創作した人の全人格を表したものとも言うことができ、著作物がどのように利用されるかは、単に、経済上の問題にとどまらず、著作者の人格的な問題にもかかわってきますので、著作権法では「著作者人格権」として次の3つの権利を定めています。
・公表権
著作物を公表するかしないか、公表するとすればどのように公表するかを決めることができる権利。
・氏名表示権
著作物に氏名を表示するかしないか、表示する場合に本名を表示するかペンネームを表示するかを決めることができる権利。
・同一性保持権
著作物の改変、変更、切除などを認めない権利。”
https://www.jasrac.or.jp/copyright/person.html
5 損をしないために必要な保険知識の全て
5.1 正社員からフリーランスになった際に切り替えなければならない保険
正社員からフリーランスになってすぐの方は、健康保険を任意継続するか、任意継続できなければ「国民健康保険」に切り替えましょう。詳しくは『これだけで安心!フリーランスが入っておくべき保険まとめ』にてご説明していますので、参考にしてみてください。
6 暮らしや家庭も大切にするために理解しておきたいことの全て
6.1 クレジットカードの審査
6.1.1 クレジットカードを作るには審査基準をクリアする必要がある
どの会社クレジットカード会社においても下記の基準が設けられており、クリアできないとクレジットカードを作成することができません。基準1 申込者の属性の審査基準(年齢・居住年数・職業・勤続年数・年収等)
申込者の属性の審査基準を満たせていない場合「安定していない」「支払い能力が低い」とみなされてしまうことがあります。
クレジットカードの審査に通らなかった方は、特に重要とされている居住年数・勤続年数・年収を可能な限り高めておきましょう。
基準2 信用情報機関に登録されている項目にネガティブな情報(事故情報)がない
個人信用情報機関にネガティブな情報(支払い遅延・延滞等)が登録されてしまっている場合、クレジットカードを審査に通りにくくなります。
基準3 過去にカードやローンの利用したことがない
ケースとしては稀ですが、今までカードやローンを利用したことがない人は支払い能力に関して「未知数」と判断され、審査に通らないことがあります。
6.1.2 短期間の間で何社にも申し込むことはやめましょう
クレジットカードの審査になかなか通らないからといって、短期間での申込み回数が多いと「他のクレジットカードを限度額まで使用しているのでは」等と判断され、より審査に通りづらくなってしまいます。6.2 賃貸物件を借りる際の審査
フリーランスが賃貸物件を借りる際には、「賃貸契約」と「入居審査」それぞれをクリアする必要があります。詳細は『賃貸物件を借るために!フリーランスがおさえるべきポイント』にて具体的にご紹介しているので、参考にしてみてください。
7 節税のための手法完全版
7.1 フリーランスが支払わなければならない税金
フリーランスが支払う税金の種類は最大で下記の6種類ありますが、状況によって支払うべきものが変わっていきます。
- 累進課税形式の所得税
- 収入33万円以上から申請する住民税
- 扶養家族人数や収入に応じて決まる国民健康保険税
- 国民年金に加入するための国民年金税
- 公共事業の財源となる個人事業税
- 売上が1000万円以上の場合に納税する消費税
詳しくは『支払うべき税金がわかる!フリーランスのための税金知識まとめ』にてご説明していますので、ご参考にしてください。
7.2 フリーランスが知っておくべき節税の方法
節税を行うことで、本来は税金として支払う必要があった所得を手元に残すことができるようになります。
主な節税方法は5つありますので、仕事に余裕があれば是非実践してみましょう。
- できるだけ多く経費として計上すると支払う税金が減ります
- 青色専従者給与の届出をすると家族への給与を経費として計上できます
- 確定申告を青色申告で行うと65万円控除されます
- 保険・年金に加入すれば掛け金が全額所得控除されます
- ふるさと納税をすると所得控除とお得な特典を受けることができます
詳しくは『手元に多くのお金を残そう!フリーランスがやるべき節税5選』にて説明していますので、参考にしてみてください。
まとめ
フリーランスとして成功するためにおさえておくべきポイントは、- 効率的に仕事を獲得していく
- 税金や保険、契約についての知識を身に付け「得する」「損をしない」方法を実践する
- 煩雑な業務を効率化し本業に集中する
ということです。
本ページを参考にしながら、フリーランスとして3か月で成功する道を歩んでいきましょう。