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  • 2015.06.17
  • フリーランス

フリーランスが65万円控除を受けるための青色申告徹底攻略

フリーランスになってはじめて確定申告をされる方の中には、「確定申告は青色申告で行いたいけれど、正直複雑で、面倒だ」と感じている方は多いのではないでしょうか。実際、青色申告で確定申告をする場合、白色申告に比べて準備するものや管理をするものが多く、手間がかかるのは事実です。

しかし、フリーランスの多くが青色申告で確定申告を行っていますし、青色申告で確定申告をすれば、65万円の特別控除を受けることができるといったような節税メリットがたくさんあります。

そこで、 今まで青色申告で確定申告をすることをあきらめていた方も、これから確定申告の準備をしている方も、この機会にぜひ青色申告で確定申告を完了できるよう、青色申告の手順や申告書の書き方まで、ポイントを絞ってご説明させていただきます。

1. デメリットは手間だけ!青色申告をするメリットは4つあります

青色申告で確定申告をする場合、節税効果を期待できる4つのメリットがあります。

1.1. 利益から65万円の特別控除を受けることができます

この控除を受けると、あなたの収入から65万円を差し引いた額から支払う税金を算出するため、その結果支払う税金を減らすことができます。

納税額の差
このように、控除を受ける場合と受けない場合で納税額が大きくかわります。よって、青色申告で確定申告を行えば、控除を受けることができるので節税が可能になります。

国税庁|No.2260 所得税の税率


1.2. 今年分の赤字を来年に繰り越すことができます

もし、今年度は事業活動が不調で赤字だった場合、 赤字を3年間繰り越すことができます。

例えば、今年度100万円の赤字で、次年度100万円の黒字だった場合、今年度の赤字100万円分が控除されるので、請求される所得税は0円です。ビジネスは毎年黒字とは限りませんので、この制度はフリーランスにとってとてもメリットがあります。

1.3. 経費としてあなたの家族にお給料を支払うことができます

はじめて青色申告をされる方は、※開業後2ヶ月以内に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出すると、あなたの家族に経費としてお給料を支払うことができます。お給料の金額はあなた自身で決めることができるので、とても節税効果があります。

※既に青色申告者で、まだ届出を提出していない場合は、青色申告をする年の3月16日までに提出すれば適用されます。

※国税庁|No.2075 専従者給与と専従者控除|国税庁

1.4. 30万円未満の資産を購入した場合、一括して経費として計上できます

30万円未満の試算を購入した場合、購入額を一度に経費として計上することができます。減価償却のように購入額を数年かけて少しずつ経費として計上する必要がないので、大きな節税効果があります。

このように、青色申告で確定申告をすれば多くの節税効果を期待できます。

2. 青色申告で確定申告を完了するまでの5つのステップをおさえましょう

青色申告で確定申告を完了するためには、細かく分けて下記の5ステップを行う必要があります。
step1  開業後2ヶ月以内に「所得税の青色申告申請書」を税務署に提出する
step2  日々の収入・支出を帳簿につける
step3  1年間の所得を計算する「青色申告決算書」を作成する
step4  1年間で支払う税金を計算する「申告書B」を作成する
step5  完成した「青色申告決算書」と「申告書B」を税務署に提出する

青色申告は「難しい」、「複雑」という印象があると思いますが、この5ステップをしっかりとおさえれば、問題なく青色申告で確定申告を完了できますので、きちんと押さえましょう。では、下記にて1ステップずつ詳しくご説明させていただきます。

step1 開業後2ヶ月以内に「所得税の青色申告申請書」を税務署に提出します

フリーランスとして開業したら、1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出」を提出します。青色申告で確定申告をするためには、それと合わせて2ヶ月以内に「所得税の青色申告申請書」という書類を提出する必要があります。

この2つの提出が完了できれば、あなたは青色申告で確定申告をすることができる「青色申告者」になることができます。

「個人事業の開業・廃業等届出」を提出したい方は下記記事で書き方や手続き方法について触れていますので参考にしてみてください。
「個人事業主(フリーランス)必読!開業時に必要な届出はこれだ!」

「所得税の青色申告申請書」の書き方

下記を参考に「所得税の青色申告申請書」を記入しましょう。

青色申告記入

「所得税の青色申告申請書」はこちらからダウンロードすることができます。

また、もしあなたが開業後2ヶ月以内に「所得税の青色申告申請書」を提出していない場合はその年の確定申告は白色申告で行います。

今年は白色申告で行わなければいけない方も、「所得税の青色申告申請書」を次に確定申告をする年(次年度)の3月15日までに提出すれば、次年度から青色申告で確定申告ができますので、早めに提出しましょう。

step2 日々の収入・支出を帳簿につけます

確定申告では、決算書で1年間の取引をまとめて報告するため、日々の取引を帳簿を使ってこまめに記録しておく必要があります。

言い換えれば、帳簿は決算書を作成するための材料とも言えます。青色申告では、補助簿と主要簿という2種類の帳簿を作成します。

また、作成した帳簿は、税務署の調査が入る可能性があるため、7年間保存することが義務付けられているので、管理を徹底しましょう。

青色申告における帳簿の種類や仕組みについて詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
「フリーランスが青色申告で確定申告を行うための帳簿の仕組み」
URL掲載

step3 1年間の所得を計算する「青色申告決算書」を作成します

1年分の帳簿が完成したら、実際に青色申告で提出する書類の作成に入ります。

開業時に「所得税の青色申告申請書」を提出すると、税務署から「青色申告決算書」と「申告書B」という、確定申告をするための書類が送られてくるので、こちらを作成していきます。この2つの書類で、帳簿の内容を整理するというイメージをまずは掴んで下せればと思います。

では、最初に「青色申告決算書」についてご説明させていただきます。

「青色申告決算書」とは

青色申告決算書はあなたの1年間の事業活動の結果と経営状態を報告するものです。これは、損益計算書と貸借対照表の2部構成になっています。

損益計算書・・・1年間における事業の収益と費用の状態を表すことを目的として作成するものです。書類は3部構成になっていて、1枚目には損益計算書を、2,3枚目には損益計算書の内容の詳細を記入します。

貸借対照表・・・1年間での事業の中での資産、負債、純資産などによる経営状態を表すことを目的として作成するものです。こちらは1部構成になっています。

出典 青色申告決算書の書き方|青色申告の基礎知識

step4 1年間で支払う税金を計算する「申告書B」を作成します

「青色申告決算書」が完成したら、それをもとに1年間で支払う税金を計算する「申告書B」を作成します。

「申告書B」とは

納める税金の額を算出して、申告するための書類です。あなたの収入・必要経費・控除額・最終所得などを細かく記入します。こちらは2部構成になっていて、1枚目に収入や控除額を記入し、算出した所得税額を記入します。2枚目には1枚目の明細を記入します。

※また、国税庁のページに申告書Aもありますが、これは会社員やアルバイト・パートの方が使用するものです。


step5 完成した「青色申告決算書」と「申告書B」を税務署に提出します

書類の準備ができたら、2月16日~3月16日の確定申告書提出期間にあなたの住民票がある市区町村を直轄している税務署に提出します。提出方法は下記の3つです。

提出方法1 直接窓口で提出する

提出方法2 郵送で提出する

確定申告書類は「信書」にあたることから、税務署に送付する場合には、「郵便物」又は「信書便物」として送付する必要があります。

出典 申告書の提出|国税庁

提出方法3 国税庁のインターネットシステム「e-Tax」を利用して提出する。

「e-Tax」とは、申告などの国税に関する各種手続についてインターネットを利用して電子的に手続きが行えるシステムです。

「e-Taxによる方法」を行う方は、住基カードに格納された電子証明書の取得(手数料が必要です。また、有効期間は3年です)、ICカードリーダライタの購入などの事前準備が必要です。

参考 e-tax さらに使いやすく国税電子申告・納税システム

期間内に提出が完了したら、青色申告による確定申告は完了です。

3. 青色申告は会計ソフトを使用すれば簡単に済ませることができます

以上のような青色申告で確定申告を行う5つのステップは、手書きで行うこともできますが、会計ソフトを使用することによって簡単に、短時間で済ませることができるので便利です。

【おすすめの会計ソフト】
全自動のクラウド会計ソフトfreee(フリー)

freee

・運営会社:freee 株式会社
「クラウド会計ソフト freee」と「クラウド給与計算ソフト freee」を提供している。クラウド会計ソフトシェアNO.1。
・アプリがあるため、スマートフォンで使える。無料のプランあり。
・全自動なので、簿記のわからない経理初心者でも利用しやすい画面設計

・自動で帳簿作成をしてくれる。・・・銀行やクレジットカードをソフトに登録しておくと、明細から自動で帳簿を作成してくれる。また、補助簿を作成すれば、自動で主要簿を作成してくれる。

・自動で青色申告決算書・申告書Bを作成してくれる。・・・主要簿が完成していたら、ワンクリックで青色申告決算書や申告書Bを作成してくれる。

このように、会計ソフトを利用すれば初めて確定申告を行う方でも簡単に書類を作成できます。さらに、ミスを防ぐことができますし、時間を短縮することができます。

4. おさえるべきポイントは「日々の取引をこまめに帳簿づけすること」です

先ほどお伝えしましたが、青色申告決算書や申告書Bの作成には材料となる帳簿が必要なので、レシートや領収書を保管し、日々の収入・支出といった取引をこまめに帳簿付けしておきましょう。

慣れてくると、たまったレシートを年度末に仕訳して、すぐに確定申告を終わらせてしまう方もいますが、最初のうちはミスなく確定申告の準備を進めるために、こまめに帳簿付けするようにしましょう。

5. まとめ

青色申告で確定申告をするための具体的な手続きの流れをおわかりいただけましたでしょうか。青色申告には節税メリットが多くあり、デメリットといえば手間がかかることだけです。

流れさえつかんでしまえば、基本問題なく確定申告を終えることができるはずです。一度経験してしまえば、必ず慣れてきますので、ぜひ青色申告による確定申告を挑戦してみてください。

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